2007年べスト15 [映画年間ベスト10]
今年も15本選びますが、これは10本で切れなかったというよりは、コメントしていない作品が多いので。
1. 迷子の警察音楽隊/エラン・コリリン
http://blog.so-net.ne.jp/miyukinatsu/2007-11-27
http://blog.so-net.ne.jp/miyukinatsu/2007-10-29
2. カリフォルニア・ドリーミン/クリスティアン・ネメスクhttp://blog.so-net.ne.jp/miyukinatsu/2007-10-29
3. ここに幸あり/オタール・イオセリアーニ
4. イェラ/クリスティアン・ペツォルトhttp://blog.so-net.ne.jp/miyukinatsu/2007-06-10
5. 明るい瞳/ジェローム・ボネル
6. 眠り姫/七里圭
7. バベル/アレハンドロ・ゴンザレス・イリャニトゥhttp://blog.so-net.ne.jp/miyukinatsu/2007-06-09-1
8. ダーウィンの悪夢/フーベルト・ザウパーhttp://blog.so-net.ne.jp/miyukinatsu/2007-01-21-1
9. それでもボクはやってない/周防正行
10. ブラインド・サイト/ルーシー・ウォーカー
11. リトル・ミス・サンシャイン/ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリスhttp://blog.so-net.ne.jp/miyukinatsu/2007-03-03
12. 石の微笑/クロード・シャブロルhttp://blog.so-net.ne.jp/miyukinatsu/2007-07-01
13. ヒロシマナガサキ/スティーヴン・オカザキ
14. やわらかい手/サム・ガルバルスキ
15. ドリームガールズ/ビル・コンドンhttp://blog.so-net.ne.jp/miyukinatsu/2007-03-03
リンク記事がない作品に関してコメントします。『ここに幸あり』は、観ている間中、そして映画を想起する間も、幸せな気分になる。『明るい瞳』は、幸せというよりはもっと深い、何か原初的なものを想起する。台詞のない森の中でのシーンが秀逸。『眠り姫』は、登場人物がほとんど登場せず、声だけ聞こえてくる不思議な映画。デュラスの『ヴェネチア時代の彼女の名前』からインスピレーションを得たらしいが、デュラスの映画のように眠くならないのは何故だろう。美しい画と心地よいリズムの中で、彼女と私の「間」が、姿と声の「間」が、観客の豊穣なイメージを呼びおこす。『それでもボクはやってない』は、ドキュメンタリーとフィクションの違いを問うことに意味がなくなってきた時代に、撮られるべくして撮られた映画ではないだろうか。『ブラインド・サイト』や『ヒロシマナガサキ』など、事実の強度をそのまま持ちこたえることできる、優れたドキュメンタリーを観ることができた年でもあった。『やわらかい手』は一見ヤワな中年男女のファンタジーと流してしまいたくなる。が、後からジワジワくる。桜庭一樹の小説、「私の男」もそうだが、性的な常識を覆すような物語は意外と語られてこなかったのかもしれない。やわらかく、真綿でじわじわと締められるような恍惚。
旧作で優れたものを多く観た年でもあったのでおまけで旧作ベスト10。
1. イメージズ/ロバート・アルトマンhttp://blog.so-net.ne.jp/miyukinatsu/2007-07-25
2. 下女/キム・ギヨンhttp://blog.so-net.ne.jp/miyukinatsu/2007-06-18
3. SELF AND OTHERS/佐藤真
4. 高麗祭/キム・ギヨンhttp://blog.so-net.ne.jp/miyukinatsu/2007-10-28
5. まひるのほし/佐藤真
6. 静かなアメリカ人/ジョセフ・L・マンキーウィッツ
7. ロバと王女/ジャック・ドゥミ
8. 不在の心象/へルマン・クラル
9. スティーヴィー/スティーヴ・ジェイムス
10. 思い出のマルセイユ/ジャック・ドゥミ
佐藤真監督の死去は本当に残念でしたが、キム・ギヨン監督とともに、来年特集上映のようなまとまって観る機会があることを期待します。『静かなアメリカ人』は充実した講義を行ってくれたクリス・フジワラ氏に敬意を表して。「ジャック・ドゥミ特集」、「山形ドキュメンタリー映画祭前夜祭」など、多くの優れた旧作を発見できる機会があったことに感謝します。
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