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幻想のキューバ(2005.08.12) [北米・南米映画]

『ダンシング・ハバナ』が来週いっぱいでロードショーが終了してしまうというので日比谷シャンテに駆けつける。別に私はディエゴ・ルナのファンでもないし(『天国の口、終わりの楽園』ではガエル・ガルシア・ベルナルに目を奪われていたくち)、サルサをやっているというわけでもないのだけど、なんとなくこれは好きそう。
と実はたいした期待もしないで観たのだがこれが期待以上の出来であった。特にディエゴ・ルナが素晴らしい。『天国の口、終わりの楽園』のときもチラッとは思った気がするのだが、この子って実はとっても演技が上手い。ガエルほどの美形ではないのだがそれが逆にガエルより役の幅を広げている気がする。勿論10週間特訓したというダンスも音楽も素晴らしい。当然ながら帰りにサントラを買い、家でも聞いて余韻に浸る。印象に残ったシーンは海でディエゴ・ルナ演じるハビエルがケィティにダンスを教えながら「キューバ・ダンスは奴隷のダンスだ。そこでは誰でもなりたい自分になれる」と言うところ。そうか、キューバ音楽を聴いていると、何故かいつも少し悲しいようなせつないような気分になったのはそういうことだったのかな、などと一人で納得し、キューバの名ジャズ・ピアニスト、チューチョ・ヴァルデスのCDを引っ張りだしてくる。凄いとは思いつつどこかで入りきれない部分が残った彼のプレイが今日はストンと自分のなかに落ちてくるようだ。
映画の中で踊られるダンスはかなりデフォルメされていてどちらかというと現在のキューバ・ダンスに近いものだという。実話をもとにキューバ革命を背景に構築されたこのラブ・ストーリーはアメリカ人のキューバへの夢をよく表しているようだ。どこにも存在しない、映画の中だけのハバナ。そんなものに拘泥するのは馬鹿げているとは思いつつ今からサルサを習い始めてケイティのように踊れるようになるのと、ジャズ・ピアノのレッスンを再開してアフロ・キューバン風に弾けるようになるのとどっちが早いだろうなどと真面目に考えている。


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