SSブログ

カミュなんて知らない/柳町光男(2006.01.23) [邦画]

大学にレポート提出のためだけに行き、ご褒美のつもりで渋谷に寄って『カミュなんて知らない』。新生ユーロスペースは、ホテル街の中だったけど明るくていい感じ。映画は面白かったんだけど、ラストが少し尻つぼみな気が。いや、あのラストじゃなくて、監督とユカリのエピソードも、喜代子をめぐるエピソードも、中條教授のエピソードも、からみ合うわけでもなくそのままフェイド・アウトっていうのは・・。
しかしこれは宣伝文句の問題のような気もする。「戯曲化された(戯画化の間違いでは?)群像劇が展開する前半から、現実と虚構が一体化する驚愕のラストまで一気に疾走する」(ユーロスペースパンフより)とまで言わなきゃ、きっとラスト「おおっ!」って思ったのではないか。もっとすごいのを期待しちゃったんだよね。私も好きになった映画は大げさに書いてしまう傾向があるので自戒を込めていうけど、大仰な言葉が繊細なラストの持ち味を殺してしまうことってあるような気がする。驚愕のラストなら余計に、過大な期待や先入観なしで観て「おおっ!」と驚きたいよね。私が作者なら、小説でも映画でも過剰な売り文句で最初だけ売れるより、口コミでじわじわ売れた方がきっと嬉しい。
とは言っても多少大げさに書かないと人が入らない映画配給の現実というのはあるんでしょうね。映画は特にお金かかるし。でもそう思ったことは覚えておこう。
ユーロスペースではGW、ハネケの「Hidden」、マルコ・ベロッキオの「夜よ、こんにちは」をやるそうです。楽しみですね。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。