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ミリキタニの猫 [ドキュメンタリー]

今日は評判の良い『ミリキタニの猫』をユーロスペースで。確かに、自暴自棄さとユーモアが混在したミリキタニ氏のキャラクターは魅力的で、監督のリンダとの掛け合いも暖かいものに満ちていて、大傑作とは言わないまでも面白いドキュメンタリーになっていると思う。収容所のことや9.11も、これみよがしではなくサラリと、でも重みがちゃんと伝わってくるところが監督のセンスの良さを感じる。

そういえば、「山形ドキュメンタリー映画祭2007前夜祭」で何本か観た時も、大上段に政治やら社会情勢について撮ったものよりも、家族や自分が関わった人たちを、静かに撮った作品に感銘を受けた。スティーヴ・ジェイムスの『スティーヴィー』、ヘルマン・クラルの『不在の心象』、メリッサ・リーの『夢の中で』、『愛についての実話』など。撮る側と被写体の関係性が、或いはその変化がスリリングな映画。これは私に限っての傾向なのか、それとも近年のドキュメンタリーの傾向の一つなのか。

話がずれてしまうけれど、台風が去った後、テレビで、多摩川を猫と一緒に流されていくホームレスのおじいさんを見た。新聞にも載っていたけどおじいさんは「コイツ(猫のこと)を助けなきゃって必死で・・」とか言っていた。佐藤さんのことで落ち込んでいた時だったので、おじいさんも猫も助かってとてもほっとして、少し元気になった。ミリキタニ氏も路上で書いていたのはあんまり可愛くない猫ばかりだった。リンダのところにも猫がいて遊んだりしていた。ここは8年くらい、周りで精神疾患の話を聞くことが多くなったと感じる。社会のせいだと断言できるほど知見がないのだが、「ミリキタニの猫」のようなものが意外と大事だったりするんじゃないかな、なんて少し思う。


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naonao

私も観ました。素敵な作品でしたね。
by naonao (2007-09-08 22:48) 

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