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靖国 YASUKUNI [ドキュメンタリー]

今朝朝日新聞を読んでいたら仰天のニュースが。日中合作のドキュメンタリー『靖国 YASUKUNI』の上映を予定していた都内4館・大阪1館が4月12日からを予定していた公開の中止を決定したとのこと。1館が上映中止を決めたという話は聞いていたが、もう雑誌などにスケジュールが出ているにも関わらず、上映中止などという事態になるとはまさか思っていなかったのだ。話題になってかえって当たるのでは、などと楽観的な予測を持っていたりしたのに・・。
発端は自民党の稲田朋美議員が、この映画に公的助成金が出ていることを疑問視し、文化庁に問い合わせをしたこと。3月12日には国会議員向けの試写会が開かれ、その旨新聞などにも取り上げられたことをきっかけに、実際に街宣車などによる抗議を受けた映画館もあったようだ。当の稲田議員は今朝の朝日新聞では「一部政治家が映画の内容を批判して上映をやめさせるようなことは許されてはいけない。今回、私たちの勉強会は、公的な助成金が妥当かどうかの一点に絞って問題にしてきたので、上映中止という結果になるのは残念。私の考え方とは全然違う作品だが、力作で、私自身も引き込まれ最後まで見た」と語ったとされている。
ということはまだマスコミと議員向けの試写しか行われていない段階なので、実際に映画を観てはいない人が抗議しているということなのだろうか。私自身は幸運にも試写で観ることができ、同じく力強く、観客に考えさせる力を持った作品だと思ったが、今回のことで特に強烈だった劇中のあるシーンを思い出した。靖国神社の式典の最中に乱入し、首相の靖国参拝反対を訴えた青年が、取り押さえられ、コワモテの中年男性に小突かれながら、じりじりと境内の外に追い出されるシーンがある。その中年男性は怒りで顔を真っ赤にしながら「中国人は中国へ帰れ!!」と繰り返す。だって中国人って別に本人だって言ってないし、そんなの分からないのに・・。
真実を確かめる間もなく怒りが極端な行動に結びついてしまうのは、流された夥しい血の記憶のせいだろうか。その記憶が薄い私たちこそ、そういった極端な行動に走らないためにも、様々な靖国神社を描いたこの映画を観るべきなのではと思うのだが、そういった機会すら奪われてしまうのは本当に残念だと思う。
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古井戸

>実際に街宣車などによる抗議を受けた映画館もあったようだ。

今朝の毎日新聞には、羽仁進監督の談話がのっていた。
「。。(自粛した)映画館の責任にしてはいけない」

そんなことはないでしょう。ニッポンにおいて映画館をはる、ってことはそれなりの責任と自覚がある。これじゃ、プリンスホテルを非難できない(プリンスの集会拒否は、法律違反だが)。

文化庁は、映画のメッセージ(主張)に同意して、支援金を出すのではない、テメーラ黙れ! と、稲田等ノーターリン議員を一喝すべきだった(というより、その程度の自覚無くして<文化庁>を名乗るな!)。

上映する、しない、伴うドタバタ劇、今後上映館があらわれたとして、街宣車などの妨害、。。これをすべてフィルムに収めて、拡大版YASUKUNIを制作してビデオ販売してください。、で、是非とも、NHKで放映して欲しいね。
by 古井戸 (2008-04-02 09:04) 

やすだ

かつて、ジャーナリストの櫻井よしこさんの講演が、「慰安婦」についての発言を問題視する団体の要求で中止になった。

 こうした言論や表現の自由への封殺を繰り返してはならない。(読売)
by やすだ (2008-04-02 22:20) 

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