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キングス&クイーンふたたび [フランス映画]

吉田喜重特集に通いつめたのがいけなかったのか、風邪を引いたり、ぶり返したり、引越ししなきゃいけなかったりで全く映画を観る暇がないのですが、boid.netで樋口泰人さんが『キングス&クイーン』の公開が6月に決まったことと、公開・宣伝の諸経費に関する経済的困窮について書いていらっしゃるhttp://boid.pobox.ne.jp/contents/diary/boiddiary/boid2006_01.htmから、というわけでもないのですが、何の役にも立たないかもしれませんが、もうちょっと『キングス&クイーン』について書いてみます。
デプレシャンファンの人は当然観にいくからいいとして、デプレシャンと聞いて「ああ、オシャレなフランス映画って感じだよね。ま、いいんじゃん?」みたいな人(って誰さ(笑))にこそ観てほしいなぁと思っています。何故なら、私自身デプレシャン監督の作品で初めて観た『魂を救え!』で「こりゃすごい才能だ」と思ったものの、それ以降のデプレシャン作品にはさほど感心も共感もしてこなかったという事実があるからです。勿論、『二十歳の死』も『そして僕は恋をする』も『エスター・カーン めざめの時』も、悪い映画ではありません。ただ特に突出したものは感じなかったのです。このへん、きちんと言語化するには再見しないと無理なんですが。
そんな私が『キングス&クイーン』を観て感じたのは、何よりも「ああ、この人こういうのがやりたかったんだ」、「大器って本当に晩成するのね」というという深い納得でした。それだけじゃなんのことかわからないかもしれませんが、この映画については、自分なりにもう少しきちんとした形で書きたいと思っています。ただ、その場合前の時代の映画監督を持ってきてそれだけで何か言ったような気になることは避けたいと思っています。そもそも、影響を与えたであろう先行する監督の名前を言い連ねるのは、どこから来た伝統なのか私は詳しくは知りませんが、その後進の方の監督に、才能がないと言っていることとほとんど同じような気がします。いや、言っている人はズバリそういうことが言いたいのかもしれないんですけどね(笑)、その才能のなさは、そんなことしか見抜けない書き手の才能のなさに直接的に跳ね返ってくるような気がします、自戒を込めて言うんですが。
私の考える映画の豊かさとは、細胞のように、分裂し、増殖し、その映画を観た一人ひとりの観客の中でも育っていくようなものです。そんな映画は実は稀なんですが、そんな映画に出遭ってしまったとき、「あれは○○だ」などと呟くことの愚かさを、身を持って知るのではないでしょうか。そう批判したからといって、私がその豊かさを言語化できるとは限らないのですが、その愚かさ、はしたなさだけは、きちんと覚えておきたいような気がします。
とりあえず、『キングス&クイーン』観ようね!!

魂を救え!

魂を救え!

  • 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
  • 発売日: 2003/07/25
  • メディア: DVD


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printemps75001

コメント、参考になりました。
by printemps75001 (2006-10-17 10:43) 

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