うつせみ/キム・ギドク(2006.03.10) [アジア映画]
やっと復帰しました。久しぶりにスクリーンで観た映画はキム・キドク監督の新作『うつせみ』。わりと面白かったです。私がキム・ギドク監督の映画を初めて観たのは『悪い男』で丁度二年前になるでしょうか、石井隆と北野武をたして二で割ったような、女性が圧倒的に「物」的、受動的に描かれる作風に少しげんなりしたものでしたが、その後の『サマリア』、そしてこの『うつせみ』ときて、石井隆や北野武と較べる気は全然しなくなってきました。なんというか、『悪い男』の頃は多分片鱗でしかなかったであろうこの監督でないと描けない世界、がやはりあるのだなぁというか。あてもなく何軒も訪れる空き家の様々な姿。こういうものを才能としか呼べない部分が映画の面白さであるのだなぁと実感しました。
帰りにチラシでミヒャエル・ハネケの未公開作品4作品が4月下旬にユーロスペースで一挙上映するのを発見。すっごく楽しみになって早速予定立てちゃう自分もどうかと思うんだけど、楽しみなものは楽しみなのだから仕方ないか。4本とも日本最終上映だそうです。
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