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ミュンヘン/スティーブン・スピルバーグ(2006.03.17) [北米・南米映画]

・・といいつつボーっとしてるとロードショーなぞすぐに終わってしまうので、気になっている作品をぼちぼち観にいくことにする。まずは『ミュンヘン』。事件の記憶も、スピルバーグにも思い入れのない私は、「マチュー・アルマリック出てるし・・」というわけの分からない理由もあったり。しかしこれは文句のつけようのない傑作だった。「スピルバーグらしい思い入れ」があまり感じられなかったり、「スピルバーグらしい落としどころ」に映画が落ちていないと思い、公式サイトを読み、これがスピルバーグに持ち込まれた企画であったことを知る。演出は勿論スピルバーグの貢献だろうが、何よりも、脚本と俳優が素晴らしい。というか、そんな撮影だの演出だの脚本だの言っているのが馬鹿馬鹿しい。全てがコラボレイトして、クオリティの高い、「映画」と呼ぶしかない時間・空間を作り上げている。そうそう、映画の悦楽ってこういうことだよね、と数日は余韻を堪能できそう。
今までフランス男の良心の象徴のような役が多かったマチュー・アルマリックの演じる、情報屋のルイを初めとして、人間を一面的な見方ではなく、なんというか「背中まで描きこむ」ようなことを平然とやっている。なんかこの映画観たらアルマリックって、10年くらいしたら伝説に残るような俳優になるんじゃないかと思っちゃったよ(そんなことは・・どうだろう(笑))。主役の暗殺者のエリック・バナも良き相棒のダニエル・クレイグもルイの父を演じたミシェル・ロンズデイルもすごく良い。女性陣はちと淋しいがなんとヴァレリア・ブルー二・テデスキがチョイ役で出て花を添えている。スピルバーグが鼻が利くというよりは、公式サイトによると世界中のキャスティング担当者に協力を得たそう。何故かその中に日本も入っているのだけど日本からは参加していないが。
冒頭「スピルバーグらしくない・・」とかいろいろ書いたが、そもそも私はスピルバーグの作品で観ているのは『A.I』から『ターミナル』にかけての最近の作品が多く、多分『ミュンヘン』と似た系列であろう『シンドラーのリスト』や『プライベート・ライアン』を観ていないので、少し一面的な感想かもしれない。しかし映画自体がスピルバーグの意図から離れ疾走していくようなドライブ感があり、それがこの映画を傑作にしているとのではないかということは指摘しておきたい。
戦争映画って苦手なんですよね。苦手とか言っていると大志があって戦争映画を作ってるであろう当のスピルバーグ監督や、戦争映画研究者(いれば)に怒られるかもしれませんが、どうも痛いシーン観てると自分も痛いような気になっちゃって・・。しかしどうなんでしょう。某邦画映画会社勤務の人によると、戦争映画は興行収益という点では結構優秀で、特に男性固定ファンがいるそうです。「戦争反対の意志を固めるために」観に行くのか、「戦争と聞くと血湧き肉踊ってしまう」から行くのか、一度戦争映画ファンに聞いてみたい気がします。
とはいえ、頑張って『シンドラーのリスト』や『プライベート・ライアン』も観てみようかという気になりました。おススメです。


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