タブロイド/セバスチャン・コルデロ [北米・南米映画]
見逃していたエクアドルの監督の映画をDVDで。この映画は確かGWにヒルズでかかっていて、『グッドナイト&グッドラック』と迷い、結局観なかった覚えがあるのだが、失敗だったと痛感。『グッドナイト&グッドラック』と「報道の正義」という点でテーマがかぶる。しかしより痛切で、胸に突き刺さる。
ボーナストラックのメイキングを見ていて、「映画は戦場だ」というサミュエル・フラー監督の言葉を思い出した。映画を作っている人間が闘っているように、映画を観ている私たちも闘っているだろうか? という疑問を突きつけられる本編であり、メイキングであると思う。
同じくボーナストラックのもう一つのエンディングを観て唖然。どちらにしても救いなんてなかったのだ。この絶望はどこから来るのだろう。闇は確かに存在する。しかし闇を捉えられる映画は稀である。闇に呑み込まれず、映画を映画として成立させるには、強靭な精神力が必要なのだろうな、ということくらいしか私にはわからない。「ラテン・アメリカの・・」などという決まり文句を口走る前に、多くの人に観てほしい。
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